連載小説 『野の球』 | 大友・ごむの「理想のワタミ」

連載小説 『野の球』

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<前回までのあらすじ>

金地が食べようとしたパンを七星が捨てた!


INNING.32 『引キ継ガレシ機械』


  自らのノートPCを開くと、ものすごい速さでマウスをクリックしまくる橋本。
  幾重にもなったセキュリティの網を橋本の愛機「舞姫」が突破していく。
  画面内を変な鳥が飛び回ると、次々と「クリアー」の文字が表示される。

修斗「そう!これが橋本の特殊能力
    〝引き継がれし機械〟<ファザーズ・コンピューター>!
    磨き上げたハッキングの技術で各国の中枢機関の情報を盗み続け
    いまや伝説のウィザード級ハッカー「剛力ちゃん大大大好き」として
    知られることとなった橋本だが、その正体を知るのは本人と家族、
    そして俺のみ。
    今はまだ他のメンバーには言えないが、この力、
    真・野球部のために活かしてもらうぜ!」

  カチリ、とトドメのクリックをする橋本。
橋本「…コンプリート!あとは仕上げをごろうじろ。
    ホワイトハウスのレンジをチンすることだって可能だよ」
修斗「それじゃあ頼む」
  そう言われると橋本はマウスをダブルクリックする。


  ピーンポーンパーンポーン♪
放送「3年1組の…獣ヶ崎(けものがさき)……
    マンドラゴラ…と…トカゲのしっぽ…を持って…職員室に…来い」

ビースト「何じゃ?校長の呼び出しか?まいったのう。勝負はお預けじゃ!」
猫黒「……」
  ビーストはマウンドを降り、職員室へと走って行った。

修斗「砲丸バカがまんまと騙されたな。あれは一体どうやったんだ?」
橋本「これまでのデータから校長の声を抽出、それから学校の
    マザーコンピューターに侵入して放送を操ったのさ。ちょろいもんだよ」
修斗「やるな!…そう。相手ピッチャーの豪速球が打てないのなら、
    そのピッチャーにいなくなってもらえばいいという「元を断つ」作戦!
    …で、次に出てきたピッチャーは何の競技の奴なんだ?」
  2番手のピッチャーがマウンド上で肩を鳴らし始めている。

橋本「あぁ。あれはノヴァ先輩だね。
    あの人は特に何の競技もしてないけど部活に来てる人だよ。
    本名は野田だよ」
修斗「それなら何とかなるかもしれないな」

  カキーン!

  ノヴァの投げた初球を、猫黒が適当に振ったバットが捕らえた。
  ホームラン!
  真・野球部がついに同点に追いついた!

つづく


振り出しに戻ったvs陸上部戦!果たして勝負の行方は!?


作者コメント:野の球を みんな読んだら ストライク! 【野の球川柳No.01】